寅尾の穴

面舵いっぱい、追い風人生!ワシが歩けば世界が笑う!

大 ” 不動産”帝国の終わりの始まり

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皆様、大変過酷な労働時間に命を削る思いでお勤めされて居るのかと、ひしひしと感じて居る、モンキーパークハウジング代表兼広報  担当、”体はギガ級が気持ちはナノ程繊細”でございます、寅尾とおる でごさいます。

先ずは残業中、帰宅ラッシュ途中でご拝謁頂きましては誠に有難き幸せでございます。

帰宅又は出社前の方にぞんじましては大変ご苦労様でございます。

しばしお付き合いの程宜しくお願い申し上げます。

さて、前回に引き続き不動産業界につきまして暫し方らべようと思っております。

不動産の需要が大きく変わりつつある

 2019年に世帯数がピークを迎えると予測されるのは、あくまでも全国の総数であります。都道府県別に見れば、すでに減少が始まっているところもあり、5年ごとに実施される国勢調査の結果を見ると、前回の2010年時点において秋田県高知県で世帯数の減少がございました。他の都道府県は増加だったものの、前々回の2005年に比べて微増にとどまった県は少なくないのです。
 
国立社会保障・人口問題研究所による調査では、最新データとして2013年1月に公表されたのが「全国推計」にとどまり、都道府県ごとの推計は2014年半ばまで待たなければならないようでありまして、そのため2009年12月に公表された推計データに依らざるを得ないが、そこでは2010年から2015年までの5年間に27道府県で世帯数が減少するとされておりました。さらに2025年から2030年の間には、滋賀県沖縄県を除く45都道府県で減少が見込まれている現実です。
 
最新の推計では世帯数のピークが2015年から2019年へ延びたとはいえ、国内の総人口の減少はすでに始まっております。世帯数の減少タイミングが遅くなったことの裏側で、単身世帯や夫婦だけの世帯が従来の予測以上に増加しているということは、2010年時点で「単独」世帯と「夫婦のみ」世帯の合計が52.2%を占めていたが、2035年にはこれが58.4%に増え、さらに「ひとり親と子」世帯を加えると69.8%に達すると予測されている。未婚化の進行や離婚の増加、死別などにより、とくに65歳以上の「高齢者単独」世帯は2010年から2035年の間に1.53倍と急激な増加になる模様ですがその一方、これまで新築一戸建て住宅やファミリータイプの新築マンションが販売ターゲットとしていた「夫婦と子」世帯は、全体の4分の1を割込むものとされている。総世帯数が減少していく中で、さらにその割合が減るのだから、マーケットの需要が大きく変化していくことに疑いの余地ごさいません。
 

 

人口の減少も年々深刻さを増していく

国立社会保障・人口問題研究所による推計において、市区町村別の数値が公表されるのは人口だけで、残念ながら世帯数は都道府県別にとどまる。2013年3月に公表された市区町村別人口推計を見ると、2040年の人口が現在の半数を割込むところも少なくごさいません。中には3分の1程度まで減少する町村もございます。

もちろん東京都でも、人口減少とは無縁でいられない。2040年の人口が2010年より増えると予測されているのは中央区、港区、新宿区、墨田区江東区練馬区三鷹市東村山市稲城市の6区3市、それにもともとの人口が少ない御蔵島村だけだ。大阪市では西区、天王寺区鶴見区、北区の4区、大阪府下では田尻町のみが増加となっている。大阪市内には2割以上の人口減少が見込まれている区も多いようだ。愛知県では、名古屋市守山区緑区だけが増加なのに対して、その周辺では安城市大府市高浜市日進市みよし市長久手市東郷町豊山町大口町大治町幸田町が増加すると予測されております。

いずれにせよ大都市圏でも大半の市区町村で人口の減少が避けられず、それに数年ずつ遅れながら世帯数の減少も進行していくことだろう。人口および世帯数の減少は街の活気を奪い、不動産市場も次第に縮小していく。現在もすでに住宅の数が充足し、逆に家余りが社会問題となっている中で、これから世帯数が減少に転じるのは此れ迄のなかでお分かりいただけて居る通り、従来は新築住宅の供給に依存する割合が大きかった不動産業界も、この現実から目をそらすことはできないのでございます。

変化を求められる不動産業界のあり方

国内における人口の減少、それに続く世帯数の減少は、不動産業界のあり方も大きく変えると、市場規模の縮小を見越して、一部の住宅メーカーはすでに海外の不動産市場へ参入を始めているほか、国内では住宅ストックの活用に軸足を移している例も多くなりまして、単身者世帯、高齢者世帯の割合の増加に合わせた商品企画も求められる事と間取りの変化だけでなく、留守の時間が長くなりがちな単身者世帯のセキュリティ対策、高齢者向けのバリアフリーや「見守り」対応も重要さを増していく為にはさらに、顧客と長くお付き合いができる体制を作らなければ、需要が減退していく社会の中で生き残ることは困難であろうかと予測して居ります。

新築分譲を手掛ける不動産会社であれば、販売後のアフターサービスがますます重要になり、それも従来のような物件の定期点検や保証といった範囲にとどまらず、入居後の生活全般に対するフォローが欠かせなくなり、インテリアのアドバイスやリフォームの提案、さらに将来の売却、場合によっては子育て相談や生活相談まで、住まいに関するトータルサービスを提供することが我々の使命になって来るはずです。

仲介を手掛ける不動産会社であれば、整備されつつある中古住宅流通市場の中で、他社より優れたサービスを考えることが重要で、契約時における的確な情報提供や物件調査のスキルアップはもちろんのこと、これまでのように「物件の引渡しが済んだらそれで終わり」というスタンスからは卒業しなければならない。入居後の生活全般をサポートするため、単なる不動産業からの脱却を目指すことも必須になります。

インターネットを始めとするIT技術の発達によって、業務の進め方も現在よりさらに大きく変わっていくだろうが、人間関係が大切であることは将来も変わらないように願いたいものだ。消費者の立場からすれば「一生のお付き合いができる住まいのドクター」となれる担当者がいるかどうかが、不動産会社の選択基準になると、わたくし寅尾は強く感じて居るのです!

不動産特有の事情も考えておきたい。他の分野における「○○年問題」の多くが一過性のものであるのに対して、不動産はそれからずっと続く事象の単なる始まりに過ぎないということは、ローマ帝国が衰退していくが如く、大不動産帝国の終わりの始まりになるのかもしれ無い事実にいち早く察知ししておる業者は居るのだろうか。

引用文
塩野七生 ローマ人の物語
ローマ帝国の終わりの始まり